お知らせ
休館中の特別企画 開催のご報告
ヴァンジ彫刻庭園美術館では、5月13日から6月11日にかけ、休館中の特別企画「彫刻庭園美術館を明日につなげる−“ユニバーサル”な鑑賞体験の場としての可能性」を開催いたしました。期間中は、当館の庭園を会場に、これまでの活動を紹介する「予約制小展示」や金子明人先生によるガーデンツアーを実施したほか、三島駅周辺会場にて、外部講師の方によるトークイベントを実施いたしました。
以下、本企画の報告をさせていただきます。
1. 予約制小展示
当館の“ユニバーサル”な鑑賞体験の場としての可能性を考えることを目的として実施した小展示では、これまで当館で行なってきた視覚に障害のある方に向けた取り組みや「ユニバーサルな鑑賞体験」を紹介・体験いただきました。展示やワークシートを軸にしつつ、庭園美術館を各々のペースで散策しながら、庭園と彫刻を視覚以外の感覚も意識して鑑賞いただくことを重視しました。
実施日時:5月13日、14日、20日、21日、27日
参加者数:各回30名
2. 金子明人先生によるガーデンツアー/<視覚に障害のある方向け>ワークショップ
クレマチスとバラの最盛期であるこの時期に庭園の魅力を提示するため、2002年の開園時から取り組んできたガーデンツアーと、クレマチスガーデンの今後の活用可能性の提案として、視覚に障害のある方に向けたワークショップを実施しました。いずれも当庭園のクレマチス栽培の顧問である金子明人先生が講師を務めました。ワークショップでは、植物に触れたり香りを嗅いだりと、多様な庭園鑑賞を体験していただきました。
実施日時:6月3日(本実施)、11日(追加実施)
※本来は、6月3日のみが実施日だったが、台風2号の影響でキャンセルが相次いだため、急遽予約者に向けた追加実施日を11日に設けた。
3. 「鑑賞・観光・感動 ―彫刻庭園美術館のユニバーサルな可能性について考える2日間」
当館の価値や活用可能性について多角的に検討いただくことを目的に、外部講師を招いたトークイベントを 5月28日と6月4日の2日間に分けて開催しました。
1日目:広瀬浩二郎×柳田邦男 “ユニバーサル”な鑑賞体験の場としての可能性
国立民族学博物館の教授であり、ユニバーサル・ミュージアムの提唱者でもある広瀬浩二郎氏と、ノンフィクション作家である柳田邦男氏をお招きし、おふたりの講演と対談を実施しました。対談では、ふれる鑑賞、彫刻を有する美術館としてどのような鑑賞体験を提示できるのかという当館の可能性、また作品にふれて鑑賞するという体験が人生に何をもたらすのかなど、多岐にわたって検討いただきました。
日時:5月28日(日)14:00-16:30
講師:広瀬浩二郎氏(国立民族学博物館 教授)、柳田邦男氏(ノンフィクション作家)
会場:三島市社会福祉会館 4 階 大会議室
参加者数:60名
イベントのダイジェスト映像
広瀬氏と柳田氏による作品鑑賞動画
2日目:ミュージアム×ツーリズム ユニバーサルツーリズムの拠点としての可能性
当館の新たな可能性として、ユニバーサルツーリズムについて検討するトークイベントを開催しました。冒頭にて、観光庁の方より「観光庁におけるユニバーサルツーリズム政策」について動画講演をいただいた後、ユニバーサルツーリズムの研究者である一井崇氏と久保田美穂子氏、そして先週に引き続き広瀬氏をお招きし、それぞれのご経験から「ユニバーサルツーリズム」に関するご講演をいただきました。後半の座談会では、当館副館長である岡野晃子も登壇し、四者でユニバーサルツーリズムにおける当館の魅力や可能性について検討しました。
日程:6月4日(日)14:00-16:30
講師:一井崇氏(富山国際大学社会学部観光専攻 准教授)、久保田美穂子氏(亜細亜大学経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科 准教授)、広瀬浩二郎氏
会場:三島市生涯学習センター 3階 講義室
参加者数:66名
イベントのダイジェスト映像
いずれのイベントも限られた日程、人数での実施となりましたが、多くの方にご関心をお寄せいただき、それぞれのイベントでは、参加者の方から多くのご意見やあたたかなお言葉を頂戴いたしました。外部講師の方々には新たな目線で当館についてご検討いただき、貴重なお言葉を数多く頂戴しました。
本企画にご協力、ご参加、応援してくださった皆様に、改めて深く御礼申し上げます。