村瀬恭子展「セミとミミズク」

会期: 2007年12月2日(日)−2008年3月25日(火)

主催: ヴァンジ彫刻庭園美術館

村瀬恭子は、初期より少女の姿を描き続けてきました。部屋から外の様子を恐々と伺っていた少女はいつしか扉を開き外へと歩み出します。あるときは水のなかで身体の浮遊感を愉しみ、あるときは森のなかへと場所を移し、枝を潜り抜け、ときに立ち止まりながら。そして今も歩み続ける彼女はどこで何に出会うのでしょうか。ペインティングとドローイングによる新作で構成される本展はドイツ・デュッセルドルフで制作を続ける作家の「現在」を示します。自分という存在を確認し、他者の気配を感じ取ろうとする少女のいる物語のつづき、現実とどこかでつながっているような、生命力に溢れる新たな世界が展開されます。
近年緻密さを増す表現にもあらわれているように、村瀬の絵画は、少女と同じく変化の最中にあります。丁寧に置かれていく色はやがて幾層にも重なり、瑞々しい空気を放ちはじめ絵画が包み込む湿り気と匂いは、周囲の空気と反応しあい、溶け込むことで世界の内と外の境界をも揺るがせながら、観る者を巻き込んでいくことでしょう。

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