戸谷成雄展 「洞穴の記憶」

会期:2011年10月23日(日)─ 2012年3月27日(火)

主催:ヴァンジ彫刻庭園美術館

ヴァンジ彫刻庭園美術館では、日本を代表する現代彫刻家のひとり、戸谷成雄の個展を開催いたします。
1947年長野県に生まれた戸谷は、もの派以降解体してしまった彫刻を、独自の理論で組み立て直し、作品として問題提起してきました。1988年のヴェネツィア・ビエンナーレ出品など、国際展での活躍は広く知られているのみならず、彫刻とは何かという根源的な思索の数々は、今日越境する表現の現場において、ひとつの指標を与え続けてきています。
チェーンソーで製材を刻み、灰を塗ってなされる彼の作品は、突起と奥深い襞が互いに入り込み、緊迫感をもって我々の視覚を刺激します。大気の流れ、森のざわめき、刺し射る光線などの現象は、彼の手を経ると幾重の相を喚起する不定形の痕跡となります。概念の流出した空間の手前に、触知可能な表面をたちあげ、彼は、物質と知覚を媒介する彫刻のあり方を早くから探ってきました。
高度経済成長からバブル崩壊を経て、成熟社会に向かいつつある、めまぐるしく変化する戦後日本の歩みと平行して、一貫して日本で制作を続け、日本語で思索し、今なお前進し続ける彼の仕事は、日本人による<彫刻>を語る上で欠かせないものと思われます。
本展では、半地上、半地下の段状の展示室の構造を生かし、近作を中心とした作品群を展示します。視線の流れを斜めに導き、反転し変容する森羅万象の順路を展開します。
地上と地下を行き来する、彼の<彫刻>の世界をご覧ください。

  • 《森 IX》2008年、photo : 山本糾

  • 《天気輪》2009年、photo : 武藤滋生、courtesy of Shugoarts

作家紹介

  • Vangi Sculpture
    Garden Museum

    戸谷成雄(とや・しげお)

    1947年長野県に生まれる。1975年愛知県立芸術大学大学院彫刻専攻修了。
    主な個展として、1995年「視線の森」広島市現代美術館、「平櫛田中賞記念展」井原市田中美術館(岡山)、2001年「戸谷成雄―さまよう森」国際芸術センター青森、2002年「連句的-発句としての70年代 戸谷成雄展」入善市下山芸術の森 発電所美術館(富山)、2003年「戸谷成雄 森の襞の行方」愛知県立美術館、2006年「戸谷成雄~大きな森~展」宮城県立美術館など。シュウゴ・アーツ、ケンジ・タキギャラリー他多数で個展開催。1988年「第43回ヴェネツィア・ビエンナーレ」ジャルディーニ日本館(イタリア)、1990年「プライマルスピリット:現代日本彫刻展」カウンティー美術館(ロサンゼルス)、シカゴ現代美術館他巡回、1991年「構造と記憶―戸谷成雄・遠藤利克・剣持和夫」東京都美術館、1995年「日本の現代美術 1985-1995年」東京都現代美術館、1997年「第9回インド・トリエンナーレ」ラリット・カラ・アカデミー(インド/ニューデリー)、2000年「第3回光州ビエンナーレ:人間+空間」メインホール・アジア・セクション(韓国)、2001年「生きろ / Ikiro」クレーラー・ミュラー美術館(オランダ / オッテルロ)、2009年、2011年「所沢ビエンナーレ美術展:引込線」西武鉄道旧車両工場(埼玉)、2011年「横浜トリエンナーレ」に参加。埼玉県で制作、在住。

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