ヴァンジ彫刻庭園美術館
常設コレクション

ヴァンジ彫刻庭園美術館の常設コレクションは、ジュリアーノ・ヴァンジの彫刻、デッサン・版画が現在展示されており、これらは、1995年フィレンツェのフォルテ・ディ・ベルヴェデーレの大回顧展の際に出品された、屋外大型彫刻がその中核になっています。2002年の美術館開館に際し、入口のモザイクやガラスフェンスなど建築部分と融合した作品も、作家の創意により新たに生まれました。
その後も、2007年の来日で≪カテリーナ3≫、≪勝利者≫、2009年の来日では≪プリマヴェーラ≫が加えられ、常設展示作品にも若干の変化を見せています。

作家紹介

  • ジュリアーノ・ヴァンジ

    photo : Shigeo Anzai

    ジュリアーノ・ヴァンジは、現代イタリアを代表する具象彫刻の巨匠です。1931年フィレンツェ近郊のバルベリーノ・ディ・ムジェロに生まれ、フィレンツェで学びました。ルネサンス以来の人間表現の伝統から逃れるため、1959年からブラジルにわたりますが、三年後イタリアに戻り、以来一貫して、人間の感情の複雑さを具体的なかたちによってあらわす、彼独自の彫刻の探求に専心します。1967年のストロッツィ宮殿の個展では、近代社会の人間が抱える閉塞感を鋭く表現し、同時代の人々の共感と喝采を得ました。
    以後、イタリア国内で好評を博したヴァンジは、ヨーロッパのみならず日本やアメリカでも発表を重ねます。
    2000年前後には、教会からの宗教彫刻の依頼が相次ぎ、2002年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞します。ヴァンジは、マルティーニ、マリーニ、マンズーといった戦後イタリア具象彫刻の流れの先端に位置する巨星といわれています。象嵌細工や色大理石など伝統的な技法を、現代の考えで蘇らせ、移ろいゆく時代のなかで変わるものと変わらぬものを見極め、自らのテーマとして取り入れてきました。当館では、文字通り彫刻に捧げられた、1965年から2009年までの、ひとりの彫刻家の歩みをご覧いただくことができます。