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ドロップシャドー

古屋誠一展 Aus den Fugen/アウス・デン・フーゲン

2010/04/20更新

会場:ヴァンジ彫刻庭園美術館
会期:2010年5月21日(金)~8月31日(火)
 

静岡県西伊豆に生まれた古屋誠一は大学を卒業後、シベリア経由でヨーロッパに渡り、1978年にオーストリアのグラーツで妻となる女性、クリスティーネ・ゲッスラーと出会います。1983年頃から精神を病んだクリスティーネは、息子と3人で住んでいた東ベルリンのアパートから身を投げて自ら命を絶ち、共に暮らす女性を撮影するという日常的な営みは、突然の中断を余儀なくされます。妻の死から4年後、手元に残された亡き妻のポートレイトは、古屋の手によって写真集『Mémoires』として世に出されます。その後、彼女の姿は「写真家古屋誠一」と切り離せないものとなっていきました。幾度となく印画紙に焼き付けられていくクリスティーネの姿は、「死後の生」を与えられ、古屋の撮る写真にも影を落としているようにも見えます。安定して流れる時間の中に、絶えず過去が侵入してくるような場所において、古屋は写真の中に何を見、「死後の生」を生きる者からの眼差しにどのように応えるのでしょうか? 
展覧会タイトル「Aus den Fugen」はシェイクスピアの『ハムレット』で主人公が父親の亡霊と出会った時の台詞、「The time is out of joint(時間の蝶番/ちょうつがいが外れてしまっている)」のドイツ語訳の一部からとられています。

本展は2007年、ヴァンジ彫刻庭園美術館での展示を再現。一部未発表作品を含みます。


【作家略歴】
古屋誠一(ふるや・せいいち)
1950年、静岡県西伊豆生まれ。東京写真短期大学(現・東京工芸大学)卒業。73年にシベリア経由でヨーロッパに向かい、87年以降はオーストリアのグラーツを拠点に活動。ヨーロッパの国境地帯やベルリンの壁など、様々な「境界」を問う作品を発表する一方、オーストリアの写真批評誌『Camera Austria』では、創刊時から編集に参加し、日本の写真家をヨーロッパに紹介するなど、幅広い活動を展開しています。写真集に、1980年に滞在したアムステルダムを撮影した写真集『AMS』。また1978年に結婚し、85年に東ベルリンで自ら命を絶った妻クリスティーネをテーマにした写真集に「Mémoires」のシリーズがある。2002年、『Last Trip to
Venice』で第27回伊奈信男賞受賞。2004年、アルベティーナ美術館(ウィーン)にて個展開催と同時に『alive』を出版。2010年、東京都写真美術館にて集大成となる個展「メモワール.」を開催。また、写真集「Mémoires」シリーズの完結編として『Mémoires. 1984-1987』を出版。


お問い合わせ
ヴァンジ彫刻庭園美術館
TEL 055-989-8785